結果:酒さだった話
久しぶりの皮膚科、何か新たな診断があるかも!と期待して受診した1件目。診断結果は脂漏性皮膚炎と吹き出物の併発の可能性というもの。つまり、以前と同様の診断結果であった。赤みもあれば吹き出物もある為、吹き出物の次に赤みの対策をしていこうと言う話になった。今更ながら、この赤みがどうやら診断と治療を難しく厄介なものにしているようだった。
前回、ディフェリンゲル、ベピオゲルを使用した際にはリンパ液が出てきて結局患部が悪化するだけだった旨を医師に伝えると、吹き出物(大人ニキビ)の治療薬として処方できる塗布薬はこれが最後の手段だとして妊婦さんでも使えるDRX AZAを処方された。もしこの塗布薬でも同様に爛れが起こるということであれば、塗布薬での患部改善の見込みがなくってしまうので縋る思いで帰宅したのを覚えている。
その日の夜は恐怖しながら薬を塗布してみたが、翌日以降もリンパ液が出ることはなく、そればかりか吹き出物が小さくなっているようにも感じた。ここから2ヶ月程このDRX AZAを使用して様子を見たところ、吹き出物の緩和には確かに効いた。ただ、赤みについてはやはり吹き出物と連動してはいないようで、吹き出物が少なくなっても消えることはなかった。
吹き出物についてはDRX AZAを塗り込めばそれ以上状態が悪化することはなかった為、2ヶ月目の最終処方日から4ヶ月程皮膚科通いをサボり、吹き出物が新たにできた時、あるいは既にあるものが悪化しそうな時に塗るという状態を続けた。今にして思えば、吹き出物があり且つ赤みがある状態というのがこの時点で6年は続いていたので、自分の肌に対する感覚が麻痺していたのかも知れない。側から見れば肌の状態は明らかに良くない筈なのに、皮膚科に率先して行こうという感覚が薄れていた。
しかし、鼻については吹き出物がいくつかあるのが常で決して無くなることはなく、赤みもその他の部分と比較してもダントツで強かった。ついには鼻の吹き出物によって鼻がボコボコと変形してきている様に感じた。この段になって、再び恐怖を感じた私は新たな皮膚科を受診することに決めた。そしてこれが、肌を大きく変えることになったのだった。
新規の皮膚科を予約して受診、今まで使用してきた薬歴やその際に起きた事を全て話した。すると、これまでの6年で初めて耳にした言葉を医師から伝えられた。”酒さかもしれない”と。
酒さは「赤ら顔」の病気で、 鼻や頬、額などに赤みやニキビのような症状がでる病気です。 皮膚の症状に加えて、ほてりやヒリヒリ感などの「敏感肌」の症状もみられます。30~50歳代に発症しやすく、男性よりも女性に多い傾向があります。
https://www.maruho.co.jp/kanja/shusa/about/
酒さは吹き出物(ニキビ)や脂漏性皮膚炎等と似たような症状を有する事、また様々な皮膚トラブルと併発することが多く皮膚科医でも非常に診断が難しいということだった。これまでの診断や薬の使用履歴やそれに伴う症状などを全て伝えることで、漸くと可能性として出てきた診断が酒さだったというわけだ。そして、2022年に保険適応可能となったという酒さ専用の治療薬”ロゼックススゲル”を処方されることになった。また、全体的な赤みの緩和の一環として合わせて錠剤のトランサミン250mgとビタミンEを処方された。
結果は驚くべきものだった。まず何をしても長年緩和されなかった赤みが数週間で明らかに引いていき、またそれに伴い鼻にできていた吹き出物も引いていったのだ。なお赤みについては完全に引いたわけではなく、ロゼックススゲルを処方されて1年以上経過しても未だに鼻まわりと一部の頬はうっすらと常に赤い。だけれども、現在はそのうっすらとした赤みが多少気になるくらいで、鼻まわりを含め全ての部位から吹き出物が消えた。本当に本当に心から嬉しかった。
今になって思うことは、結果が出ないからといって途中で治療を投げ出したり、更なる診断を仰ぐ為に新規の皮膚科への受診を億劫にしなければ良かったという事だ。ただ、酒さには前述の通りで似通った症状や幾つかのトラブルが合併して発見しにくいという側面があるので、一発で診断が下されるのは難しいかも知れない。でも、私のような症状があり、且つ吹き出物(ニキビ)や脂漏性皮膚炎の治療に効果が出ていないという方がいらっしゃれば、是非酒さかも知れないという可能性を担当の皮膚科医に相談してみて欲しい。私は自身のサボり癖や諦めも相まって、30代の殆どを結果的に酒さに苦しめられてきた。同じ様な症状に悩まれている方の参考に少しでもなれば嬉しいと思う。
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