※前回から時間が空いてしまいましたが、続きです。長いですが何かの参考になれば幸いです。
帰り道
病院からの帰り道はひたすら頭が混乱していたものの、歩きながら、今お腹の中ではもう命は育っていないんだ、という現実がひしひしと迫ってきました。ただ、この時点では涙は出ず、何か心の中のものが機能を停止したかのようでした。家に到着すると、アメリカにいたパートナーに電話をかけた。その日が診察日だと知っていたからか、彼の第一声は明るかったけれど、私の方は第一声を発するまでにいくらか時間がかかったので、向こうも何か異変が起きているということに気づいたようでした。「赤ちゃんの心臓、止まってた。」これだけ伝えるので限界、寧ろ言葉を発したことで機能を停止していた心が動揺しだしたのがわかりました。その後母にも電話したけれど、この時点では一言を発するだけでも嗚咽で話せなくなり、早々に電話を切りベッドに突っ伏して咽び泣いたのを覚えています。
自然排出待機
時間は少し前後しますが、稽留流産診断後の診察室で胎嚢の自然排出と流産手術の説明を受けた際、考える間もなく自分の口から”自然排出”という音が出たのを聞きました。言葉ではなく音と表現したのは、自分でも言葉を理解する前に無意識的に即答していたためです。
自然排出の場合排出前に出血が始まり、出血が始まってからおおよそ2、3日〜1週間程度で胎嚢が排出されるのが一般的と説明を受けました。合わせて、出血や排出が始まるまでの期間には個人差があるため具体的な排出時期の事前予測は難しいこと、稽留流産から1週間経過しても出血が始まらない場合には再診を検討した方が良いこと、自然排出されても完全排出ではなく一部が体内に残留している場合には流産手術が必要になること、出血から1〜2週間経過しても排出がない場合には排出時の痛みや出血が酷くなる傾向があるのでこの場合にも流産手術を検討が推奨されていること等を知りました。
私の場合ですと稽留流産診断後1週間程で出血が始まり、更に1週間後に排出がありましたので、結果的に診断から自然排出まで2週間という期間がありました。なお、自然排出が始まる前には生理痛以上の腹痛がある方が多いと事前に説明を受けておりましたので(痛みのレベルも個人差あり)、出血が始まる前や出血開始後にはいつ腹痛がやってくるのか終始不安でした。私のように家で一人で排出を迎える方も多いと思います、一人でのメリットはいつでもお手洗いを利用でき、且つ占領できることくらいでしょうか。。万が一痛みや出血が耐え難いものになった場合に備えて、出血開始後にお手洗いへ行く際には常に携帯を持って入りました。(何かあればすぐに救急に連絡できるようにするため。)
自然排出にむけて
自然排出に向けては初歩的な疑問があるかと思います。胎嚢はどういう形で排出されるのか?ということ。肝心の胎嚢の色形ですが、担当医の方からは直径2〜3cm程で白っぽい塊(組織)が出てきたら、可能であればナプキン等に包んだ上でジップロックへ入れ、来院まで冷蔵庫で保管してくださいとアドバイスを受けました。
とはいえ出血が始まると不安になり、ネットで自然排出に関する情報が出ているサイトをチェックするようになったのですが、その中では白っぽい塊ではなかったという情報もあり益々混乱してしまう結果となりました。。自然排出を待機している身としては、どう言った色でどのような形状で出てくるのかを具体的に知りたい!と思ってしまうものですよね。まだ赤ちゃんの姿形になっていなくとも、数週間一緒に過ごし、そして成長してきてくれたのですから、誤ってトイレに流してしまうということだけは避けたいという心理があるのは当然だと思います。とはいえ、ネットでも流石に完全排出時の胎嚢の画像等もありませんし、勿論個人差もあるものだと思うので絶対にこの形状だ!とはここではお伝えできませんが、私のケースではどうだったのかを記載したいと思います。
自然排出が終わるまで(胎嚢についての記載あり)
さて、出血が始まってから丁度1週間目に診察の予約が入っておりました。前回の診察で、出血が始まってから自然排出まで2、3日〜1週間程度が一般的と説明を受けていた訳ですが、この時点でまだ排出はありませんでした。出血に関して、私の場合出血量は通常の生理よりもやや少なく、出血開始から1週間経過した診察日時点では茶色っぽい血がごく少量、たまに生理時にある血の塊がドロッと出てくるといったようなこともありませんでした。
診察の結果、胎嚢自体の形状は崩れ始めているけれども、胎嚢は元の場所から降りてきておらず、直ぐにでも排出される可能性は低いかもしれないと説明を受けました。また、自然排出までに時間が掛かれば掛かるほど出血や痛みのリスクも増加する可能性があり、念の為流産手術の予約も視野に入れた方が良いかもしれないと伝えられました。個人的には可能な限り自然排出を待ちたいという気持ちが強かったので、手術という選択肢に動揺したのを覚えています。
診察後、同日の夜のことでした。少しばかり腹痛がありお手洗いへ行ったところ、ドロッと何か塊が出てきました。すぐさま確認すると、細長く赤い組織に微かに白い何かが見えました(長さは2cm程)。腹痛というには弱く塊の排出時の出血もあまりなかったのですが、痛みには個人差があるということ、胎嚢は白い塊という事前情報から、白い部分は僅かで塊ではないものの、もしかするとこれが胎嚢なのかもしれない!と思い直ぐにナプキンに包みジップロックへ入れ冷蔵庫で保管しました。そして翌日、袋を持参し再び病院へ向かいましたが、結果的には周辺組織であって胎嚢ではない、という診断でした。
しかしその夜、前回の腹痛よりも遥かに強い腹痛が徐々に襲ってきたのです。ただこの痛みというのが、個人的には酷くお腹を壊した時に襲ってくる痛みに似ており、どちらなのか判断がつきませんでした。お恥ずかしい話妊娠中は便秘気味だったため、初めにお手洗いへ行った際には便の方が出て焦りました。。(便と胎嚢が同時に排出されるという事態は避けたいですもんね。)痛みは周期的にやってきて徐々に強くなるイメージです。2回目にお手洗いへ行った時には体を真っ直ぐにしていられない程に痛みが強くなり、ひたすらにその場で痛みをやり過ごす時間が続きました。そのうちに、遂にバシャつと生暖かい水分のような血液が大量に出て、合わせてポチャっと何か大きめのものが塊で水面に落ちた音が聞こえました。その後も続けて水分のような血液が暫し出たように思います。(恐らく血液というよりも、羊水と何かといった感じなのでしょうか。)
水分が出なくなったタイミングで排出した塊を引き上げてみると、事前情報通り白い塊でした。ただ、直径は5cm程と思っていたよりも大きさがありましたので、周辺組織と合わさって出てきたのかもしれません。勿論直ぐにナプキンとジップロックに入れ冷蔵庫で保管、翌日には再び病院へ持ち込みました。結果は間違いなく胎嚢で、エコーで見る限り完全に排出されているようだと説明を受けほっと安堵しました。そして、胎嚢は組織検査にかける旨、後1週間程出血が続く可能性がある旨の説明を受けて帰路につきました。思えば、まるで自然排出を望む私の声を聞いていたかのようなタイミングでした。
自然排出後
自然排出待機中は、いつ排出が始まるか、完全排出されるのか、手術が必要になってしまうのか、痛みや出血が酷い場合の対応はどうするか、などで頭がいっぱいで悲しい感情はあるものの、毎日泣いて過ごしていた訳ではありませんでした。しかし自然排出が完了すると、待機中の心配事から解放された代わりに、もう体内にはいない=完全に失ったんだという現実が再びのしかかってきて、虚しさ、無力感、絶望感が襲ってきました。気持ちは落ち込み、体は重く全ては空虚に思え、とにかく誰とも会いたくない、家から出られないという状態が2週間程は続きました。
稽留流産の診断から約2ヶ月経過した今、ようやくと前向きな気持ちで過ごせるようになりました。あの時の辛い記憶が無くなることはありません、ただ、時間が傷を徐々に癒すというのは本当なのだと実感している日々です。
今このブログを読んでくださっている方の中にも、稽留流産の診断を受けてしまった方や自然排出待機中の方、流産手術を控えている方がいらっしゃるかもしれません。自分の体調や感情、痛みの感じ方等は自分自身にしか正確には把握できません、一人一人違います。当然、全く同じ状況に置かれたとしても人の数だけその方のストーリーがあると思います。なので他の方と比較して、自分はなぜまだ仕事へ復帰できないのだろうとか、早く切り替えて先の事を考えなければ、などと自分を追い詰めないであげてほしいと思います。心が癒される時期、先に進める時期は人によって違って当たり前です。他人基準で自分を判断せずに自分の心に従って過ごせれば、今は悲しみの中だとしても、いつかは前向きになれる瞬間が来ると信じています。
長文となりましたが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました:)
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